御陵衛士、もしくは禁裏御陵衛士、あるいは御陵禁裏衛士。
いろいろ呼び方があるその組織の主幹は、
この人、伊東甲子太郎(いとうかしたろう)。
相当なイケメンだったと伝わってますが、
大正時代まで生きた弟さんの鈴木三木三郎さんの晩年のお写真からして
この浮世離れした美男ぶりなのだから、
実物は想像するしかありません。
新撰組の参謀となった伊東甲子太郎は、新撰組とは袂をわかち、
御陵衛士なる組織を旗揚げします。
NHKの大河ドラマ新撰組では、谷原章介さんが演じました。
まだ売り出す前の谷原章介さんは、この何を考えてるかわからない、秀才キャラを、
なかなかうまく演じていたと思います。
前触れもなく、この人が伊東甲子太郎として登場されても
視聴者は、彼がいいキャラなのか悪役なのか、
わかりませんよね❔
いつも不敵な笑みを浮かべてニヤニヤしてる谷原さんの演技を初めて見て、
これはいい役者さんが出てきたなぁと思った記憶が。。。
谷原章介さん以外には伊東の役をしたのは、けっこういろいろ多岐に渡ります。
鶴見辰吾さんは、なかなかでしたが、
1998年テレビ朝日放映の司馬遼太郎原作の新撰組血風録での
峰岸徹は、ないだろうと思いました。
このドラマ、けっこう俳優さんと実在人物の年齢解離(俳優側が歳を重ねすぎ❗️❗️❗️)が話題にのぼりました。
例:近藤=渡哲也、土方=村上弘明、芹沢鴨=松山千春
伊東甲子太郎は、新撰組の末期に、京都に来て、ほどなくいきなり参謀になります。
それだけの使い手(北辰一刀流の免許皆伝)でもあり、論客でもあり、
また美男なのにあわせて、それだけ人を籠絡する達人でもあったのでしょう。
新撰組を去る際には
脱退、脱走は切腹という新撰組の原則を、いとも簡単に「特例」を認めさせているぐらいです。
伊東の新組織、御陵衛士は、
東山の高台寺に屯所を設置します。新撰組なんかより、かなりいい場所です。
高台寺の塔頭のひとつ、月真院が御陵衛士の屯所になりました。
この慶応3年、10月14日、すでに大政奉還の奏上がされており、
270年近い徳川幕府政権が終わることが決定的になっていて、
幕府側の京都の警察組織であった新撰組の有り様も、どうなるか、わからない時勢、
伊東は、新撰組局長の近藤勇の妾宅(現在のリーガロイヤルホテル付近)に呼ばれます。
落ち目が決定的な新撰組が、自分に何らかの協力を媚びてくると読んでいた伊東は、これに応じ
その帰路、油小路木津屋橋の角で、
新撰組隊士たち数名に斬り殺されました。
酒に酔って上機嫌だった伊東は、近藤にさんざヨイショされ、
身に迫る危機を忘れていたのでしょうか❓️
北辰一刀流の達人も、相手になんら手傷を負わせることなく斬殺されたといいます。
油小路木津屋橋の角には、時折、花束が供えられています。
屯所だった月真院は、今もありますが、基本的に拝観謝絶です。
高台寺から徒歩1分、清水寺からなら徒歩10分~15分です。
近くには三面大黒天。
境内には、行列ができる抹茶スイーツのお店『都路里』(つじり)の
高台寺店があります。
(お茶メーカーとして、あるいはお土産メーカーとしての商標は『辻利』)
祇園の本店ほどには混んでません。
三面大黒天と御陵衛士屯所跡は、ねねの道の中程にあります。
人力車夫たちが人待ち顔。
石塀小路にも抜けられます。